私が一発合格できたワケ
私は3年もの間、職場の上司と道ならぬ関係を続けてきた。
そう、世間で言うところの「不倫」である。
その当時、私は都内の1DKマンションに住んでいた。
まぁ、ワンルームマンションに毛が生えた程度の
築20年はたっていた部屋だったけど…。
毎週水曜日の夜は男が部屋にやってくる日だった。
私の人生の悦びは週にたった1度だけ。
私のライフスタイルは水曜日を中心にまわっていた。
徹夜仕事と偽って1度だけ男が朝まで泊まっていったこともある。
だがそれは一度だけ…。
いつもは終電10分前の時刻が来ると急いで妻の元へ帰っていく男。
だから私は週末がいつもヒマだった。でもそれが当たり前になっていた。
ただクリスマスや正月が来るといつも虚しかった。
腕を組んでネオンの街を堂々と歩くカップルが恨めしかった。
秘密を打ち明けていた学生時代の親友からは「もう、やめときなよぉ!」
とさんざん言われた。もし私が男との関係を清算するとしたら…
それは必然的に私が会社を辞めることになるだろう。
ある時、私は身体に異変を感じた…。
来るべきものが10日以上も来ないのだ。
私は医者に行く前にそのことを男に打ち明けた。
もちろんそれで彼が離婚してくれるとまでは思っていなかったが、
このことがきっかけになって、二人の関係が
少しだけ前に進むのではないか?というかすかな期待もあった。
だが、彼は目をそらしながらこう言った。
「堕ろしてくれるんだよね?金は俺が何とかするから…」
もう、それ以上は聞きたくなかった。
3日間会社を休んで泣き続けた。
こんな男のために20代を3年も無駄にしてしまった…。
悲しさと、悔しさと、情けなさで胸がいっぱいになった。
私は腫れた顔と傷ついた心を抱いたまま、会社と男に別れを告げる決心をした。
私が「社会保険労務士」の資格取得を死にものぐるいで目指したのは
そのためだ。有利な条件で転職できる国家資格を取って、
会社を変わって、この男をこっちから捨ててやる。
その憎悪から生まれた強い思いが、私を資格取得のための勉強へと駆り立てた。
もう猶予はない!死んでも1回で合格してやる!!!
ちなみに妊娠疑惑は別れを決意した2日後に解決した。
単に体調不良で来るのが遅れていただけだったのだ。
でも、それがなかったら私は男の正体を見抜けないまま
無駄な年月を過ごし続けていただろう。
とにかく私の社会保険労務士合格への思いは強く、激しく、深かった。
その集中力と本気度。
それこそが私を合格へ導いた原動力だったと思う。
