社会保険労務士合格!その後

合格発表の数日後には私の手元に「合格証書」が送られてきた。
それは私の新しい人生のパスポートに見えた。

社会保険労務士の試験に合格した人のその後は大きく分けると下記のような
道へ進んでいく。

1)今勤務している会社でそのまま業務を続けるか人事異動を願い出る。
2)社会保険労務士事務所や税理士事務所に転職する。
3)コンサルタント会社や他企業の人事部や総務部などに転職する。
4)実務にはかかわらず、予備校の講師をおこなう。
5)開業して事務所を構える。

私の場合1)はありえなかった。この資格を目指したのも会社を辞めて
男と縁を切るというのが当初の目的だったからだ。
さらに言えば、5)は実務経験がないので今すぐはありえないだろう。
合格したばかりの自分が 4)というのも考えにくい。
そうなると現実的なのは
2)社会保険労務士事務所や税理士事務所に転職する。
3)コンサルタント会社や他企業の人事部や総務部などに転職する。

ということになる。
私はすぐに就活を始めた。それと同時に会社に退職を願い出た。
まだ次の職場は決まっていなかったが、
一般企業の中に「社会保険労務士の有資格者優遇」という募集が
いくつかあった。
私は12月末いっぱいで辞めることを会社に告げた。
それは当然、上司であった男の耳にもすぐに伝わった。
彼にとっては寝耳に水だったろう。

実は今だから言えるけれど、資格取得の勉強を始めた最初の数ヶ月は
まだずるずると関係は続いていたのだ…。
内心では別れることを決めていても、そうすっぱりは関係を断ち切ることが
できなかった。だがそんな自分の至らなさは、かえって一人の時に
勉強へ向かう思いを増幅させたのは事実だった。
「合格して会社を辞めなければ、一生このままかもしれない…」
そんな恐怖が頭をよぎったこともある。

だが勉強がどんどん面白くなり知識が増えてきはじめると、
自然に彼との間に距離を取ることができるようになった。
週に1度が、3週間に1度になり、1ヵ月に一度になり…。
追い込み期には3ヵ月以上二人で会ったことはなかった。
その時点で「もう大丈夫。これならちゃんと別れられる」
そう確信できる自分がいた。
突然の退職を知った彼は当然のように私に理由を迫った。
そして私は、今までに頭の中で何度も、何度もシミュレーションしてきた
言葉を彼に告げた。
「あなたとはもうこれっきりにしたいの。永遠にさようなら」
その2ヵ月後、私は上場企業に正式採用が決まった。
配属は人事部人事課になるということだった。
もうこれからは心の目をきちんと開いて、
自分の足できちんと前を向いて歩いていきたい。仕事も、恋愛も。